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熱海へ

東京から50分、結構楽に電車を乗り換え旅館についてみたら、案内された部屋の目の前は海だった。遮るものといえば窓の枠と数メートル先に見える松の枝くらい。
波の動きと音に心を奪われているうちに、この波は生きている人間の体液の相応のようだと思った。始まりも終わりもなく永遠に波打つさざ波は、私が想像する羊水のイメージそのもののようでもあり、月の光に照しだされるたびにかえって生き生きと輝きだす波が、遠い昔にこのような風景をどこかで感じた事があるような気にもさせた。ちょうどこの日は満月で「ムーン・ロード」と言われる月の道が揺れる波を照らし出して、この世のものとは思えない美しさ。

翌日の午前中は温泉でのんびり。極楽でした。ここの温泉は出世の湯ともいわれているらしい。タクシーの運転手さんに教えてもらった。
「おねえさん、一人旅?すごいね〜。まだ若いのにこんなところに一人で来て偉いね〜かっこいいね〜」「あそこは出世の湯と言って入った人は出世するらしいですよ」と
「・・いや、特に若くもないんですけど」と心の中で思ったけど若いと思われた方が得なようなきがしてそのままにしておいた。

一人でふらふらしているだけで褒めらるし、そういうことは多い。不思議でならない。逆に気の毒に思う人もいるようだ。はやく女だろうが男だろうがどっちでもいいけど、人間が一人で行動する事を普通に認めてくれる世の中になってほしいです。でもきっと昔よりは一人行動しやすい世の中なのかな。お一人様が心地よい文化になったらどうなるんだろう・・かなり世の中が変わる気がします。

さて、便利な所までタクシーで移動しあとはバスで「澤田政廣」記念美術館へ。パンフレットに笛を奏でている天女の彫刻があって、ぜひ近くで見てみたいと行ってみた。全てが素晴しく魅力的だったけど、なんだか中央にメインっぽく飾られている人魚の彫刻に心を奪われ興味をもった。所何処に繊細に着色してある青の色彩もかなり印象に残った・・。彫刻の隣にある説明を読んだら谷崎潤一郎の『人魚の嘆き』に感動し制作したと書いてある。この彫刻の着色の理由は後から知った。『芸術の心を射抜く矢』という澤田政廣記念美術館で出版されている本の中に「その心を入れるための不可欠の要素は色彩である、と私は考えている」という言葉があった。

楽しい旅を終え、東京の自宅に帰って早速購入した谷崎潤一郎の『人魚の嘆き』を読んでみた。・・・どうやら主人公は常習的にアヘンをすっているらしい。そして、そこから始まるけだるいような物語は、まるで高い場所から別の命ある世界を覗いているようでもあり、儚くも美しいうつろで幻想的な物語だった。読み終えたら、自分のいる場所もいつ消えてしまってもよい霧のような世界なのではないかと思った。

『人魚の嘆き』



『芸術の心を射抜く矢〜彫刻家の言葉』
澤田政廣の言葉と作品を集めた本。「曼珠沙華」という彼岸花をモチーフにした彫刻もまたとても印象に残ったし感動した。そういった説明も本人の言葉で書かれてあった。

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