Mr.Frank Wessとの思い出9(日付は前後します)

自分の為にだけに付けていたフランク・ウエスレッスン日誌ですが、一部をupしています。今回でいったんお休みします(11/1/2013)

Mr. Frank Wessとの思い出1
Mr. Frank Wessとの思い出2
Mr. Frank Wessとの思い出3
Mr. Frank Wessとの思い出4
Mr. Frank Wessとの思い出5
Mr. Frank Wessとの思い出6
Mr. Frank Wessとの思い出7
Mr. Frank Wessとの思い出8


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「Frank Wess レッスン日記 2月10日2010年」より抜粋
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フランクレッスンは今日でしばらくのお休み。来月日本に一時帰るから。
いつものようにオートロックのチャイムをならし数分待つと「イエース!優花入れ」と元気な声


 
 〜中略〜
 

今日一生の宝物をフランクからもらった。正確にいえば、それは、その「もの」じゃなく、できそこないな生徒に対する愛。つまり彼の深くて温かい人間性。彼の名言、「そのものらしいもの」。人間らしい人間、トマトらしいトマト、犬らしい犬。つまり、正真正銘の美の尊さ。 

レッスンのあと、ついに長年恥ずかしくて言えなかったことをいった。
「写真撮ってもいいですか?」 

フランクは私が「写真ちょうだい」といったように思ったらしく、なんか少し照れながら 
「優花、俺の写真を日本にもっていきたいのか?なんかあったなあ・・」 

と言ってなんかかなり、重要そうな棚の上に飾ってあった写真をくれようとした。 

あ、Takeの意味の伝わりかたからの事件だなあ、思った。 

だから
それは重要な写真そうだから、私が今撮りますから」
 
っていったら 
「おお。そういうことだっか、へへへ?、でもまあもっていって」 
「・・・あ、サインしてやる。この色でいい?ねえねえ、優花、俺ちゃんと字、書けてる?」 
と目もほとんど見えてないのにサインまでして写真をくれた。 





帰り際、私がいった言葉は 
「お願いだから、私が日本にいる間に病気しないで!また秋にきてもいい?」 
だった。
フランクも、ちょっとだけ、多分、間違って出た涙をニコニコしながらぬぐっていた。
「もちろんだよ、今度来れる日が決まったら電話してね」と

歳も歳だし本当に心配。 



憧れや尊敬の気持ちそのものと、それがどう自分への影響するのか、もしくはしたのか、何があっても、例えばどんなにすごい人物と出会っても、変わらない自分の本質は何か、などを考えながら、55丁目から100丁目まで歩いて帰宅した。途中で白ワインもひっかけたけど。 

何かあるたびに、その時感じたことを忘れたくなくて、形に残したい衝動をつなぎ合わせて生きているきもする。そのままヴィデオで残したって、きっと詳細を忘れているであろう未来の自分や家族、いなくなると寂しがってくれているかもしれない友人には伝わらない。だから今の心がどんな形か、色なのか、イメージを通してくみ取り形にしたいといつも思う。それは、アーチストという意味でなく、純粋な衝動を失わないように暮らしていきたい。 

帰宅して部屋の窓から見上げた空、風がないのか雲もなにもかも全く動かない。これはどういうことかと、不思議だった。





(Frank Wess レッスン日記 2月10日2010年)より





ありがとう、フランク先生。
Rest In Peace, Mr. Frank Wess.







 

at 00:04, Yuka Sasaki, Frank Wess

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Mr.Frank Wessとの思い出8(日付は前後します)

自分のためだけに付けていたFrank Wess先生のレッスン日記の抜粋をupしていこうと思います(11/1/2013)


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(フランク・ウエスレッスン日記 1月15日2010年)より抜粋
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「Bas Armagnac Vaghi 1922」 


http://www.parkaveliquor.com/shop/search?shop%5Bsearch_results%5D=Vaghi 

レッスン後、フランクと同じ88歳のアルマニャックを飲ませていただいた。 
お誕生日にいただいたそう。 

フランクには強すぎるそうで、思いっきり鼻からにおいをかいで少しなめる、という飲み方をしていた(笑)ちょっとかわいい。 

味はおいしかった。そりゃ、おいしいに決まってる。複雑な素晴らしい味。カルバドスっぽい甘みの要素もあって、スムーズで、全体にピートがきいているけどなんだかやさしい味で・省略・・ 

でも目の前にいるfrankの方がやっぱり素晴らしい。ぜんぜん勝ってるよ、フランク・・。とひそかに思いながら飲んでいた。 

で彼の昔のレコードを聴きながら、ここが今日教えたdiminishedのテクニックだよ!とかいろいろコメント付きで音楽鑑賞をした。 

満足。 
もう今日はいいです。

(フランク・ウエスレッスン日記 1月15日2010年)

at 00:03, Yuka Sasaki, Frank Wess

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Mr.Frank Wessとの思い出7(日付は前後します)

自分の為にだけに付けていたフランク・ウエスレッスン日誌を公開しています(11/1/2013)

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「Frank Wess レッスン日記 2月13日2010年」より抜粋
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Billy Strayhorn のあだ名はSweet Peaだったと知らなかった。 


レッスンでfrankが「Sweet Peaはいい曲かくなあ・・・。うーん。」 
と嬉しそうに呟いていやので 
「sweet pee? sweet pea??なんですかそれ」 
ってきいたら 
「sweet peaはBilly Strayhorn のニックネームだよ」 
「pea ってホモセクシャルの意味もあるんだよ、それほど名前に意味はないけど」 

だって・・。へー。 


それから、「Day Dream」の2つめのコードはF7じゃなくてA−7♭5だよって言われた。ほとんど同じだけどルートはそういくといった。 




ついでにfrankのlover come back to me のSoloのコピーを本人の前で演奏してみた。全部終わった後、ニヤリとしてFrankがsoloの続きをふいてくれた。


それから帰り際にfrankが組み立てられないというので、彼の巨大虫眼鏡つきの電気を組み立ててあげた。それから、彼のCDプレイヤー直してきた。 





(Frank Wess レッスン日記 2月13日2010年)より
 

at 00:00, Yuka Sasaki, Frank Wess

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Mr.Frank Wessとの思い出6(日付は前後します)

(Frank Wessレッスン日記 4月23日2009年)より

卒業リサイタル後のJimmy Owensさんの合奏クラス 
今日は私に厳しかった! 

「優花のリサイタルはとてもよかった。でももっとfireが必要。frank wessはfireがすごい。できない技術もなにもない。yukaはテクニックがないからfrankのようなfireを表現できないんだと思う。もっと練習しなさい!」 

とガツンと言われた。 

jimmyさんのおっしゃる通り、soloでは↑に行きたくても、あ、間違えちゃうって↓に行きました。 

緊張していないように見えても実は結構緊張していた。なぜなら目の前にあるアンプから聞こえる音が普段のような力加減で吹いても自分の満足するアコースティックな音とかなり違って聴こえたから少し動揺していた。 

で、授業中も一人だけ見せしめのようにみんなの前でスケールの特訓をさせられる。要領のよい練習の仕方も教えてもらう。 
いい練習になった。 

最後の「music therapyクラス」はもう疲れちゃってお腹すいて力尽きて大学の隣のメキシカンでタコスとマルガリータをひっかけてからそうとう遅れて出席。授業中半分寝る。たまには不良しないと。 

あはっ。 

(Frank Wessレッスン日記 4月23日2009年)



 

at 00:06, Yuka Sasaki, Frank Wess

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Mr.Frank Wessとの思い出5(日付は前後します)

(Frank Wess レッスン日記 4月28日2009年)より


[左からサラさん、中央Frank Wess先生, 後ろ中央Jimmy Owens先生、右佐々木優花]

卒業コンサート終了後のFrank先生の「キメの顔」 さすが。フランク。 

で、今日フランクはレッスンの間ずうっとこの「キメ顔」だった。 
外は暑かったからかな?はて。 

フランンクが「優花、この間の卒業コンサートでやったブルースが全然できてなかったよ(笑)」
となぜか、くすくす笑っていた。でもピアノもベースもギターもドラムもとてもよかったよって。
(ニュースクールの卒業コンサートにフランクが来てくれました)


(でも私は知っている。frankが孫の演奏を聴くかのように目を閉じて超嬉しそうに聞いていらっしゃられたとの情報を。。)

で、ブルースのフレーズを沢山伝授してもらう。 
彼のやり方は実際曲を長く吹いていき「これ」って言うところでピタッと止めて「これこれ、つかえるよ」って感じで教えてくれる。 
frankのフレーズは本当にかっこよくスウィングしていて一瞬聴きほれてしまう。私が聴きほれている姿をニヤリとちら見しながらの余裕のフランクである。 

気が弱いから「つぎ間違がっちゃったら、もう教えてくれないんじゃないか」、とか「frankが教え疲れちゃうよ〜」とか 
そういう邪念と戦いつつフレーズのマネに集中してもやはり何度も間違えてしまう。 

でもかなりムキニなってマネしている様子に途中で「ぷぷぷぷっ」と笑われてしまう。 
そんな事を繰り返し、
frankも「むむっ・・お前、まだできぬのか?イライラ・・」
となってきたころ、frankを遮ってわざとあと3回くらいしつこく繰り返すようにしている。(ひそかなやる気のアピール) 


でもできるようになると 
「イエーイ」ととても嬉しそうにしてくれるfrank。 

これから初心に戻りbluseだけに集中してみようかな。。。 

(Frank Wess レッスン日記 4月28日2009年)

at 00:05, Yuka Sasaki, Frank Wess

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Mr.Frank Wessとの思い出4(日付は前後します)

(Frank Wessレッスン日記 5月15日2009年)より


今日のfrankは「かなり普通のおじさん」モードだった。拍子ぬけしちゃった。多面体な方だ。 

レッスンで一番大変だったのが 
DLDLDLの発音。シラバス言いながらイーヴンで演奏するのがポイント。 
でもLの発音がどうしても正しくできない。どうしても和製DLDL。だからDLDL効果がでない。 

frankもじゃあDGDGDGDGにするか?と心配してたけど 
DGDGDよりDLDLDLの方がビバップのメロディーにいい感じ。 

(Frank Wessレッスン日記 5月15日2009年)
 

at 00:04, Yuka Sasaki, Frank Wess

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Mr.Frank Wessとの思い出3(日付は前後します)

(Frank Wess 日記  5月17日2009年より)


Dizzy’s Club Coca-Colaで 


Frank Wess Nonet 

Frank Greene - tp, Greg Gisbert - tp, Lewis Venier - tb, Ted Nash - as and fl, Scott Robinson - bs, Michael Weiss - p, Peter Washington - b, Winard Harper - dr 

聴いた。 

今日のフランクは怖いくらい。飛びぬけて素晴らしすぎだ。そしてオーケストラスタイルで演奏しているときのフランクはかなり嬉しそう。 

lush lifeの演奏はすごすぎて、共演者までもスタンディングオべーションしてた。もちろん私もfrankの奥様といっしょにわーっパチパチパチーと。コンサートの途中でスタンディングオべーションなんて見たことなかったししたことなかった。すごかったー。 

(Frank Wess 日記  5月17日2009年より)
 

at 00:03, Yuka Sasaki, Frank Wess

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Mr.Frank Wessとの思い出2(日付は前後します)

「Frank Wessレッスン日記 5月29日2009年」より



毎日が楽しくてしょうがない。 

楽しかったことのメイン。frankのレッスン。 
今日は彼、少しだけテナーを一緒に吹いてくれた。いい音でいい振動で、ぐっときた。
で、クラシックのGriffes のpoemっていうフルートの曲もやっている。とてもいい曲。 

〜中略〜

lessonのあと、優花の母がくれた日本酒がおいしいよって言うんで 
frankとともに杯を交わす。 

色々な話を聞いた。 
この間のdizzy'sのアレンジは3人でしたという話から、その時のギャラの話や、近頃の銀行員は人の話を聞いていない!というかなりくだらない文句まで。 

「自分の娘がマネスのフルート科を卒業して演奏も結構いい感じだったのに彼女はシニアリサイタル以来フルートやめちゃった、なんで演奏しないのか不思議なんだ」とか 

「昔のトマトはトマトの味がしてポテトはポテトの味がしたんだ、今は何もかもだめ。でもある田舎に行ったら、トマトがトマトの味がして人間が人間らしくてひどく感激した」とか。 

沢山の昔話を聞かせてくれて面白かった。 

dizzy's clubの名演lush life( http://yukafl.jugem.jp/?eid=97 )を聴いてまた今日の昔話を聞いて、誰もが自分が純粋で素直で繊細な人間であることを恥ずかしがる必要はないんだと感じた。なんだかそのままでいいみたいだよ。 

「トマトはトマトの味がして、人間が人間らしい」 
なんでもなかったセリフかもしれないけど心に残った。 

最初はお互い警戒していたし、frankが怖かったけれど、最近彼がそうとう人間らしくて、そういった普通のことをとても大事にしていらっしゃるかたなんだと気が付いてきた。 


(Frank Wessレッスン日記:5月29日2009年)

at 00:01, Yuka Sasaki, Frank Wess

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Mr.Frank Wessとの思い出1(日付は前後します)

自分のためだけに付けていたFrank Wess先生のレッスン日記の抜粋を、気持ちの整理のためにupしていこうと思います(10/31/2013)


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Frank Wessレッスン日記(4月6日2010年)より
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私 「アルバム、"Going Wess"のレコーディング覚えてますか?」 

frank「ぜんぜん覚えてないよ、へへへ。」 
私 「CD聴いてみますか?」 
frank「いい、俺のsoloは聴かなくてもよい、ゆうかがふけ。」 

Au privave のフランクのソロのコピーを彼の前で吹いててみた。 
彼のリック、数か所、ベターなように直してくれた。ほんとはこう吹くべきだったんだと。録音した記憶はなくても自分の演奏するべきリックは全部知っているようだ。さすが。

何がどうなっているのかもっと細かく勉強しなくちゃいけない。深刻に理解した。 


その後、2人でCDを聴いたら、Frank先生は思い出したようにいろんなリックを吹いていた。 


レッスンの後、すぐに先生の自宅にセッションのメンバーが集まるというので、音色の指導を受けながら待っていたが1時間たっても現れない。 
frank先生もとうとう自分の練習を今特にお気に入りのCDと一緒に練習し始めた。

「俺この中のsoloがどうなってるか知りたいんだ〜」

その音源はDavid Newmanのcityscape
http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/7014167/a/Cityscape.htmの"A flower is a lovesome thing" ビリーストレイホーン。美しい曲。 


しばらくして 
frank「ゆうか、おなかすいた?」 
私 「すいてます」 
frank「うふふふふ、もうご飯食べに行こうよ。」 

ということで一緒に御飯を食べに行った。 

近所のタイフード。こういうときfrank先生はかわいい。足も悪いし目も悪いのに、お店のドアを私にあけさせたり楽な席に自ら座ることを好まない。たとえ生徒であっても目の前に女がいたらそれををエスコートしなければいけないと思っている。そういうところが好きでもあるしかっこいいなと思う。 

frankは、ラム肉とカレーとビール。皆が集まらなかったからか、いつもよりピッチがはやくやけ酒っぽかった。
私は焼きそばみたいな激辛麺とピノグリジオ。 


frank、カレーの中のパイナップルが好きみたいで、他は残して一生懸命そこだけつついて食べていた。後半は「おいしいからこれ食べて」と、カレーにひたひたのパイナップルを私にもフォークでつついて私のお皿に分けてくれた。 で、トマトが大嫌いだということが初めて分かった。トマトを見ると「うわー」といって投げていた。っていうか前にトマトの味から人生を語っていたfrankだけども。http://yukafl.jugem.jp/?eid=96・・おかしいな(笑) 


ディナーの帰り道、セッションにくるべき人たちそして彼のパートナーのサラさんからも私の携帯に電話がかかりまくり。
皆「frankがいなくなった!」と大騒ぎしていた。結局セッションのメンバーが集合時間を間違って覚えていたらしい。 


歳も歳だし、すごくみんな心配しただろうと思う。 

「今日は中止です」と携帯からテキストでfrankにいわれたとおりセッションのメンバーに告げた。 



(一言メモ )
吹いているときおなかを触らせてくれるんだけど88歳、frankのおなかはカチカチ。おじいちゃんとは思えない。なんでそうなるんだろう。。。




(Frank Wessレッスン日記:4月6日2010年)

at 00:00, Yuka Sasaki, Frank Wess

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パウエル本人作のフルート

 
フランクがお気に入りで使用していたフルートは1954年のパウエル本人が作ったものだそう。パウエル本人にフルートを盗まれた話をしたら、楽器の製造を頼まれていた人にではなくフランクにあげてしまったらしい。
(12/18/2009:Frank Wessレッスン日記より)

at 01:01, Yuka Sasaki, Frank Wess

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